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高精度自動導入装置 ジェミニ レベル4ロスマンディーのジェミニレベル4は、ロスマンディーGM8、G11、HGM-Titan赤道儀用に開発された自動導入システムです。 高性能DCサーボモーターにより、直流12V電源で、対恒星時800倍速(G11の場合)の超高速領域でも高トルクで安定した駆動を実現。また、ガイド修正速(対恒星時0.5〜2倍速)など、低速領域でもパルスモーター同等の機敏な反応を示します(ガイドアイピースで確認できる)。反応の悪いDCモーターシステムとは、一線を画す完成度です。 内蔵されたソフトウエアは、市場にある自動導入システム中最も高機能。充実したデーターベースも併せて、単独使用でもその高機能をお楽しみいただけます。もちろんPCとのリンクもケーブル1本で可能。「The SKY」ほか、ほとんどの市販ソフトでコントロールできます(LX200互換プロトコル)。また、ASCOMドライバ対応により、多くのフリーウエアで使えます。さまざまなオートガイダーとの接続も専用ポートにより、ケーブル1本で可能です。 高性能なハードウエアを基幹に、充実したソフトウエアで制御する「ジェミニレベル4」は、最も完成され、かつ汎用性の高いシステムです。
また、オプションのGPSレシーバーを接続すれば、ジェミニの起動時に緯度・経度、世界標準時が自動的に読み込まれ、観測場所を頻繁に変更する場合には特に便利です。 ■ 比類ない導入精度
■ 充実した内蔵データベース
なお、対恒星時数百倍を超える超高速駆動では、最適なトルク特性を発揮し、駆動系への反動を緩和できるスローアップ/スローダウン制御により、キータッチとのタイムラグを感じるかもしれませんが、中速域や、ガイド修正速(対恒星時0.5〜2倍速)など低速領域では、DCモーターの特徴である高い起動トルクにより、キータッチに瞬時に反応し、切れ味のより操作感が得られます(ガイドアイピースで確認済)。実際、たいていのオートガイダーはデフォルト設定のまま使うことができます。 DCモーターは、電圧/電流の変化に伴う回転数/回転トルクの変化がリニアであり、きわめて制御性にすぐれていることが最大の特徴です。操作性の悪いDCモーター駆動システム(鈍い反応や、モーターストール)は、モータードライバの問題か、モーターの選択を誤っている、といえます。
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「Polar Axis Collect(極軸修正)」による合致精度は、ジェミニのポインティングモデルの正確さで決まります。そのため、「Polar Axis Collect(極軸修正)」機能を使う場合、天球の東西各半球から最低3星ずつ(計6星)の基準星を導入しておくことをおすすめします。 Polar Axis Collect を使うには、まず 「Object Database」から、天の赤道(近く)にあり、南中した(に近い)対象を選択します。その対象を自動導入し、ハンドコントローラで正確に視野中心に導入します。導入完了後、「Align Telescope」モードに入り「Polar Axis Corr.」を選択します。ここでRA+ボタンを押すと"赤道儀の極軸が正確であることを前提に"ジェミニは対象があるべき位置に望遠鏡を向けます。当然、極軸が正確に合っていないので、対象は視野から外れた位置になります。対象が再び視野中心に入るように、赤道儀の方位と高度のノブを廻して再び視野に導入します。これで赤道儀の極軸はほぼ完璧に合致しているため、自動導入での対象の視野中心導入はもちろん、長時間露光での視野回転も解消されます。 |
■ 天体ソフトをインストールしたパソコンとのリンク機能
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パソコンとはRS232Cポート* を利用し双方向通信が可能です(写真はリンクケーブル)。ジェミニは充実した天体データベースと、ソフトウエア機能を持っているので、単独使用でも何ら不足はありませんが、ビジュアルなインターフェイスを利用したデータベースへのアクセス方法など、高機能なPCソフトウエアを活用するメリットもあります。システムを据え付けて使用する場合は簡単ですが、PCのための大容量バッテリーさえ確保できれば、遠征観測でも利用することができるでしょう。 |
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ジェミニのプロトコルはミード社製LX-200と互換。ほとんどの星図(プラネタリウム)ソフトウエアとのリンクを確立できます。写真は「The Skyとver.6.0英語版」のリンク画面。導入作業がゲーム感覚で行えるほか、天体の選択もモニタ画面で行えとても便利です。 ほかにも、「ステラナビゲーター(アストロアーツ社)」、「Cartes du Ciel(有名なフリーウエア)」でのリンクも確認済み。また、ジェミニレベル4は、ASCOMドライバセットに対応しています。 |
■ ジェミニの電源について
ジェミニは直流12〜18ボルトの電圧と、最大電流1500mA+を消費します。交流100Vが用意できる環境ではAC-DC電源(ACアダプター)を、屋外の環境ではカーバッテリーや鉛シールドバッテリー、または大容量のディープサイクルバッテリー(おすすめ!)など充電式電池を使うことができます。
供給電圧が18VでジェミニのDCモーターは最大のトルクを発生することができますが、18V電源は一般的ではないため、ほとんどの場合12V電源から選ぶことになります。AC-DC電源では電流供給能力が最低3A以上あり、安定化回路が内蔵されていることが条件です。また、小型のスイッチング電源でも作動可能です。
充電式電池は、最低10Ah(アンペアアワー)以上の容量を持ち、出力リレーがないヒューズ式での電池をご使用ください。ジェミニを快適に使うには、余裕のある容量を持った電源装置を選ぶことが重要です。
■ 自動導入ジェミニレベル4とフリーストップ操作
「ジェミニレベル4は高速自動導入システムだから常にクラッチは締め込んで固定しなければならない。これでは、操作性抜群のフリーストップが使えないではないか!」と、お考えの方がほとんどだと思います。しかし、そんなことはありません。ジェミニレベル4作動中でもクラッチをゆるめてフリーストップでどんどん望遠鏡を振り回してください。そして、自動導入が必要になった時は、簡単な作業で自動導入操作に復帰することができます。
操作の概要は次のとおり:
1. フリーストップ操作を行う前に:
→ ジェミニのアライメントが完了していて「ポインティングモデル」がすでに構築されていることが前提です。モデルが構築されていれば、対象は高精度に自動導入できます。
2. フリーストップ操作を行うとき:
→ 両軸のクラッチをすこし緩めるだけで、望遠鏡をフリーストップで動かせます。コントローラの方向キーも自由に使え、極軸が合っていれば正確な追尾も行われます。
3. 再び自動導入を利用するとき:
→ ジェミニの天体データベースから任意の対象を選び、「RA+」キーを押して確定します。
→ フリーストップや(望遠鏡制御モードで)方向キーを使って、その対象を視野の中心に導きます。
→ アラインモメニューから、「Synchronize(シンクロナイズ)」を選び、「RA+」キーを一回押せば導入した対象名が表示されるので、(相違なければ)もういちど「RA+」キー押して「シンクロナイズ」を実行します。
これで、すでに構築されている「ポインティングモデル」にジェミニが復帰し、高精度な自動導入を行うことができます。
注) [3]で選んだ対象の導入操作で「GoTo(自動導入)」機能を利用することも可能です。ただし、フリーストップ操作の間に鏡筒の方向が変化しているので、鏡筒がマウントに当たるなどのトラブルが発生することがあります。この機能を利用するときは、必ず両軸のクラッチをゆるめ、モーターの高速駆動が終わるまで鏡筒の動きを監視しつつ、必要があれば鏡筒の方向をフリーストップで修正します。その後は、1星目の基準星導入と同じ作業を行うだけです。
Gemini Level4 |
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製品内容 |
メインコントローラ、赤経・赤緯モーター(接続ケーブル付き)、ハンドコントローラ、電源ケーブル(シガーライターソケット仕様)、 |
内蔵データベース |
41,000天体:Messier=110個、NGC=7840個、IC=5386個、Sh2=313個、Bright Stars=167個、SAO=17635個 |
導入精度 |
全天で3分未満、領域限定で1分以内 |
追尾速度 |
恒星時、平均太陽時、平均月時、大気差補正恒星時 |
駆動速度 |
ガイド修正速、センタリング速、高速駆動速、自動導入速の4速:それぞれユーザー設定可能 |
最高速度 |
毎秒10度(GM8)、毎秒6度(G11、HGM-TITAN) |
表示パネル |
輝度調整機構付き16桁LED表示 |
パラメーター設定 |
観測地の緯度経度(GPSデータ取り込み可能)、世界標準時、ワームスタートでパラメーター保持 |
基準星 |
半球256天体(北天、南天両用) |
外部ポート |
RS232シリアルポート、オートガイダポート |
制御ソフトウエア |
The Sky(LX-200互換プロトコル)ほか |
アップグレード |
EPROM交換で可能 |
電源・消費電流 |
12または18V直流入力 1500+mA |
■価 格 |
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ジェミニ・レベル4 |
241,500円 |