トラス方ドブソニアンの組立て

大口径ドブソニアンを簡単に移動して使えるよう、ドブソニアンの本場米国ならではのさまざまな工夫がこらされています。とりわけ、何回でも組み立て・分解できるボルト・ナット接続方式は、作業の容易さにも大きく寄与しています。
主要な構成部品は手回しネジ(ボルト・ナット)で固定

左の画像は、架台の組み立てに利用するネジの詳細です。上は、フロントパネルにセットした手回しネジ(M8、P1.25)。下は、パネルに強固に固定された金属製のネジ受け(左下、パネル裏面に打ち込まれた鬼目ナットに固定されている)。ボルト・ナット形式なので、過剰なトルクで締めて木部を傷めないないかぎり、何回でも組み立て・分解に耐え、強固に固定できる構造です。なお、手回しネジはネジ根本にゴムワッシャーがはまり、パネルに挿入したまま脱落しません。

大口径ドブソニアンの大きく重い架台も、輸送や保管時に分解することで、薄いボードに早変わり。重量負担も激減し、スペース効率も劇的に向上します。

主要なパネルはネジ4本で接合

架台の組み立ては、まずパネルを組んで、それをベースに乗せて固定して完了という、いたって単純なものです。フロントパネルに手回しネジを4本セットしておけば、左右それぞれのパネルをあてがって手回しネジ(矢印の4本)を締めるだけで左のようにパネルの骨組みができあがります。

パネルはネジ8本でベースに固定

左右のパネルにそれぞれ補強リブを木ネジで固定したら、あとはネジ穴を合わせてベースプレートに乗せ、8ヶ所の手回しネジを締めるだけ(矢印)。主要パネル3枚はそれぞれ2ヶ所ずつ、左右の補強リブは1ヶ所ずつで、パネルは強固にベースプレートに接合します。

これで架台の構造が組みあがりました。慣れれば5分もかかりません。分解は、基本的に組み立ての逆手順で行いますが、3枚の主要パネルをそれぞれ単独で取り外すこともできます(もし、フロントパネルを表裏逆に取り付けてしまっても、あわてることはありません)。

後部鏡筒を架台に乗せて鏡筒を組み立てる

大口径鏡筒の大きさと重さ、耳軸位置の高さなどを勘案すれば、鏡筒の組み立ては架台に乗せておこなう方法が安全で合理的です。まず、下部鏡筒を架台の耳軸に取り付けます。

はじめての組み立てのときは、別梱包の主鏡を、最初に下部鏡筒組み込んでおきます(主鏡をいったん組み込んだら、洗浄などの目的以外では外す必要はありません)。

組あがった架台に下部鏡筒を水平に持って耳軸をはめ込んで固定ネジを締めたら、左のように鏡筒を真上に向けます(主鏡の重量で自然に向きます)。筒先キャップをはめ、この姿勢のまま鏡筒を組んでいきます。

4組のトラスポールはそれぞれネジ3本(計12本)で固定

トラスポールは接続板を介して2本が1組になったわかりやすい構造。鏡筒との固定は矢印のネジ3本です。4組のトラスポールをまず下部鏡筒のトラス受けにねじ込んでいきます(下向きの矢印)。鏡筒のトラス受けはダイキャスト製で、ポールがぴったりはまり込む形に成形されています。

4組のトラスポール(ネジ8本)を取り付け終えたら、上端にある接続板の上面が平面になっていることを確認します。

上部鏡筒はネジ4本で固定

接続板に上部鏡筒を乗せます。左は、接続部分を裏から見たところ。両者のフランジがぴったりとはまる形に成形されています。対面のフランジがはまっていることを確認しながら、手前の接続板のネジを1ヶ所締めます。これで、片手で上部鏡筒を支えながら安全に作業すすめることができます。

組み立て完了

全体の組み立てが終わったら、各取り付けネジをチェックして緩んでいたら締め直します。あとはコントローラ配線、ファインダーなどアクセサリーを装着して観測の準備を整えます。慣れてしまえばここまで10分程度で完了できるでしょう。

なお、鏡筒の組み立て・分解にともなう光軸の再現性は良好ですが、微修正が必要になることがあります。修正ツールには「レーザーメイトプロ」を推奨します。また、トラスポール部分を遮光する「ライトシュラウド」、組み立てたままかぶせることができる保護カバー「スコープクローク」もおすすめアクセサリーです。